森見登美彦 「新釈 走れメロス 他四篇」 です。

ぃぁ、森見登美彦って人はどれ読んでも文体がとても面白いです。
中島敦「山月記」
芥川龍の介「藪の中」
太宰治「走れメロス」
森鴎外「桜の森の満開の下」
の5作を、現代風にして、というか大学生を主人公にしてですけど、書き直した作品です。正直私は、太宰治の「走れメロス」しか分からなくて、楽しめないかなーと思いましたけどそんなことなかったです。ただ、もともと有名文学~っていう色が見え隠れしますね(´ー`)「三月記」が一番文学な匂いがしました。でもやっぱり教科書で読んでいる走れメロスが一番分かりやすかったですね。ちょー有名な冒頭の「メロスは激怒した。」の部分が、登場人物の「芽野は激怒した。」に変わっています。ほとんどが書き換えられているんですが、ところどころでは、オリジナルの言い回しを使っていてそこを探しながら読むのも面白いんでしょうね。
解説が、神山健治監督だったのでさらに読んでみようという気にもなったのです。まぁ解説なのでべた褒めしてるわけですけど、やっぱり、すでにある作品を自分の作品で書き直すっていうのはオリジナルと比較されて、結果95%潰されるようなものだとあって、確かにそうなのかも。ですね。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
異様なテンションで京都の街を突っ走る表題作をはじめ、先達への敬意が切なさと笑いをさそう、五つの傑作短編。
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